LINE公式アカウントの運用のコツ9選｜成功事例や施策内容を紹介

LINE公式アカウントを運用し、顧客とのコミュニケーションを強化する企業が増えています。

しかし、「開設はしたものの、どのように運用すれば良いかわからない」「メッセージを配信しても成果につながらない」と悩む企業も多いでしょう。

本記事では、LINE公式アカウントの運用について悩んでいる方に向けて、LINE公式アカウントの基本機能や具体的な運用手順をわかりやすく解説します。

また、実際にLINE公式アカウントを活用している事例や成果を上げるためのコツも紹介しているため、LINE運用を成功させたい方はぜひ参考にしてください。

LINE公式アカウントとは

​​LINE公式アカウントとは、企業や店舗がLINEを通じてユーザーと直接コミュニケーションを取るためのツールです。国内のLINEアプリの利用者は9,900万人（2025年6月末時点）に上るため、幅広い年齢層にアプローチできる強みがあります。

一般的な個人向けLINEとは異なり、LINE公式アカウントの特徴は、不特定多数の友だちに対してメッセージを一斉配信できる点です。cそのため、友人や家族との双方向コミュニケーションが中心となる個人向けLINEとは、用途や機能が大きく異なります。

また、LINEはメッセージの開封率が高く、約8割が受け取ったその日のうちに開封するというデータもあります。なお、2025年1月時点で、国内で運用されているLINE公式アカウントの認証済アクティブアカウント数は61万超です。

直接的かつ高い確率でユーザーに情報を届けられる点は、LINE公式アカウントを活用する強みだといえるでしょう。

LINE公式アカウント運用に欠かせない機能

LINE公式アカウントには、ビジネスで活用できる数多くの機能が備わっています。ここでは、LINE公式アカウントの運用に欠かせない機能を8つ紹介します。

• メッセージ配信
• チャット機能（1対1トーク）
• リッチメニュー
• クーポン
• ショップカード
• 応答メッセージ
• ステップ配信
• 分析

メッセージ配信

メッセージ配信は、LINE公式アカウントに友だち追加してくれたユーザーに対し、メッセージを送信できる機能です。メッセージの送信は、すべての友だちに一斉送信するだけでなく、特定の友だちだけに絞り込んで送ることもできます。

配信内容はテキストだけでなく、画像や動画、スタンプ、クーポンといったさまざまな種類のコンテンツから選べます。1回の配信では、最大3つの吹き出しを組み合わせて送信可能です。

関連記事 LINE公式アカウントで一斉送信する方法｜特定の人にだけ一斉送信する方法も解説

チャット機能

チャット機能は、LINEの友だちと1対1でメッセージのやり取りができる機能です。チャットで送る内容は他の友だちからは見えません。そのため、問い合わせ対応や予約受付、顧客サポートなど、個別対応が求められる場面で広く活用されています。

また、LINEは通知機能やトーク一覧に表示されるためメールよりも見逃されにくく、電話よりも時間や場所を選ばず都合のよいタイミングでやりとりができる点が強みです。

関連記事 LINE公式アカウントのチャット機能（旧1:1トーク）の使い方｜注意点や成功事例を徹底解説

リッチメニュー

リッチメニューは、LINEのトーク画面下部に固定表示される画像付きのメニュー機能です。トーク画面下に常に表示されるため、ユーザーがいつでも必要な情報や機能にアクセスできます。

リッチメニューに設置する内容は、商品ページへの誘導や予約ページへのリンク、問い合わせフォームなど、自由にカスタマイズが可能です。さらに、リッチメニューごとに表示する期間も指定できるため、期間限定キャンペーンなどにも活用できます。

関連記事 LINEリッチメニューの作り方｜画像作成から表示設定まで徹底解説

クーポン

クーポンは、LINEで発行・利用できるデジタルクーポン機能です。サービス利用時や商品購入時にユーザーが提示することで、内容に応じた割引や特典を受けられます。ユーザーの来店促進や購買意欲の向上など、販促施策として活用できる機能です。

発行したクーポンは、メッセージ配信やリッチメニューへの掲載を通じて友だちに届けられます。紙のクーポンと異なり、準備や手間を掛けずに来店や購買を促せるため、運用コストの削減も可能です。

関連記事 LINE公式アカウントのクーポン機能の使い方｜作成方法や活用方法を紹介

ショップカード

ショップカードは、LINE上で発行・管理ができるデジタルのポイントカード機能です。従来では紙で対応していたポイントカードを、LINE公式アカウント上で発行・管理ができます。

ショップカードを活用すると、紙のポイントカードの準備や管理に手間をかけずに再来店やリピート購買を促進でき、運用コストの削減が可能です。

関連記事 LINE公式アカウントのショップカードの作り方｜活用方法や事例も解説

応答メッセージ

応答メッセージは、友だちからメッセージを受信するとあらかじめ設定したメッセージを自動で返信する機能です。

例えば、友だちから「営業時間」というキーワードを受け取ると、自社の営業時間を返信するという使い方が可能です。このように、よくある質問を設定して自動化すれば、LINE運用の効率化にもつながります。

応答メッセージは24時間365日いつでも自動配信できるため、ユーザーの要望に迅速に対応でき、満足度向上につながります。

関連記事 LINE公式アカウントの応答メッセージ｜自動返信・自動応答をする方法を解説

ステップ配信

ステップ配信は、友だち追加など特定の行動を起点に、あらかじめ設定したメッセージを段階的に自動配信できる機能です。ユーザーの状況に応じて、一定のタイミングで順を追ってアプローチできる特徴があります。

ステップ配信を活用すると、ユーザーごとに最適なタイミングや内容でメッセージを届けられるため、アプローチの効果を高めつつ、LINE運用の負荷を軽減できます。

関連記事 LINE公式アカウントのステップ配信の設定方法｜開始条件や条件分岐も詳しく解説

分析

分析は、LINE公式アカウント運用のデータを確認・分析し、改善につなげるための機能です。

友だち追加数やブロック数、メッセージ配信数、開封率などを確認し、データを分析して施策ごとの反応を可視化できます。それぞれの項目において、どの施策でユーザーの反応率が良かったのかなど、データにもとづいた判断を行えます。

LINE運用で成功するには、感覚ではなく数値にもとづいた改善の積み重ねが欠かせません。PDCAサイクルを回すうえでも、分析結果をもとに施策を検証・修正していくことが重要です。

関連記事 LINEの分析機能で出来ることとは？見方から機能の詳細まで徹底解説

LINE公式アカウントの運用前に押さえておくべきポイント

LINE公式アカウントの運用で成果を出すためには、事前準備が欠かせません。以下のポイントを参考にして、自社の方針を整理しましょう。

LINE運用の目的を明確にする

LINE公式アカウントを運用する際は、まず「何を目的に運用するのか」という目的を明確にすることが重要です。目的が曖昧なままでは、施策の方向性が定まらず、リソースを消費しても成果につながらない可能性があります。

代表的な運用目的としては、以下のようなものが挙げられます。

• 新規顧客の獲得
• 既存顧客のリピート促進
• ECサイトの売上増
• 店舗への来店促進

運用目的は企業や店舗の状況によって異なります。目的を明確にすることで、今優先して実施すべき施策や方針を決めやすくなるでしょう。

ターゲットを明確にする

運用の具体的な目的を定めたあとは、ターゲットとなる顧客層の明確化が重要です。年齢や性別、地域やニーズなど、誰に向けて運用するかによって、配信内容や運用方針が異なります。

そのため、ターゲットの具体化は、LINE運用の成果を左右する重要な要素です。

ターゲットが曖昧なまま運用を進めても、響かないメッセージを大量配信することになり、高いブロック率と低いエンゲージメントを招く原因になります。

既存の顧客データがある場合は、購買頻度や客単価の高いユーザー層の傾向などを分析することで、効果的なターゲット設定が可能になります。

KPI（重要指標）を明確化する

LINE運用を成功させるには、成果を定量的に測定できるKPI（重要指標）を設定し、評価と改善を繰り返す必要があります。代表的なKPIには、以下があります。

• 友だち数（増加率）
• ブロック率
• メッセージ開封率、クリック率
• クーポン使用率
• 実店舗やECサイトへの来店・購入数

設定したKPIが運用の目的やターゲットから外れていると、本質的でない数値にリソースを費やしてしまい、成果につながりにくくなります。また、KPIは現在の運用段階に応じて3〜5個程度に絞って設定すると効果的です。

自社の目的に合ったKPIを設定し、施策の成否を定期的に判断しながらLINEの運用方法を改善していくことが重要です。

関連記事 LINE公式アカウントのKPIは何を追うべきか？成果につなげる指標設定と改善策

社内体制の構築と運用ルールを整備する

LINE公式アカウントを複数人で運用する場合は、運用担当者やチーム内の役割分担をあらかじめ明確にしておくことが重要です。分担が曖昧なままでは、対応漏れやトラブルの原因になる可能性があります。

LINE運用を始める際は、以下の内容を整理しておくと安心です。

• 投稿・配信の責任者
• チャット返信の担当者
• 炎上リスクへの対処フロー
• ガイドライン（文体、返信速度、許容・禁止表現など）

また、運用ルールがない状態では、人事異動や退職者が出た際に、運用が停滞するリスクにもつながります。運用ルールを整備する際は、配信スケジュールや緊急時の対応、効果測定の頻度・方法も明文化しておくことで、属人化を防げます。

さらに、チーム全員が同じ方針を共有できるよう、簡易マニュアルを作成しておくことも有効な方法です。

LINE公式アカウント運用の基本ステップ

LINE公式アカウントを開設し、どのようなステップで運用するのがよいかを解説します。

• アカウントの開設と初期設定をする
• 友だちを増やす
• メッセージ配信とコンテンツ活用を行う
• 効果を分析してPDCAサイクルを回す

アカウントの開設と初期設定

アカウントの開設と初期設定をする

LINE運用を始めるには、まずLINE公式アカウントの開設が必要です。

アカウントを開設したら、プロフィール情報の入力やリッチメニューの設定など、初期設定を行いましょう。

LINE公式アカウントの開設に関しては、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

関連記事 LINE公式アカウントの作り方｜PCとスマホアプリそれぞれの作成方法を解説

友だちを増やす

LINE公式アカウントでメッセージを配信できるのは友だちのみです。そのためLINE運用を成功させるには、まずは友だち数を増やすことが重要です。

友だちを増やす代表的な方法は以下のとおりです。

• 店頭で友だち追加の案内を行う
• 店頭やチラシへ友だち追加用のQRコードを掲載
• SNSやWebサイトで告知する 
• 友だち登録者限定のクーポンを用意する
• 既存顧客へ案内する

友だち獲得には、オフラインとオンラインの両方を組み合わせるのが効果的です。例えば、飲食店や小売店など、対面での接点があるビジネスでは店頭での声かけが重要です。

QRコードを印刷したPOPを設置するのも大切ですが、直接ユーザーに案内をすることで、LINE公式アカウントがあることを知ってもらうことが大切です。

一方でオンラインの場合は、自社のWebサイトに友だち追加ボタンを設置したり、SNSでLINE公式アカウントの存在を告知したりする方法があります。

また、友だちを増やすには、「友だち追加で30％OFFのクーポン」のような特典を用意し、友だち追加することによるメリットを用意することも重要です。友だちの数が増えるほど、より多くのユーザーに情報を届けられるため、売上アップにもつながります。

関連記事 LINE公式アカウントのお友だちを増やす方法10選

メッセージ配信とコンテンツ活用

友だちが増えてきたら、目的とターゲットに合わせて定期的にメッセージやコンテンツを配信していきます。

 配信内容は一方的な宣伝だけでなく、割引情報や限定感のあるキャンペーン、商品・サービスの活用方法など、ユーザーの関心を引く情報を提供しましょう。

また、コンテンツを配信する際はテキストメッセージだけでなく、リッチメッセージやカードタイプメッセージなど、画像を使ったメッセージを有効活用しましょう。画像など、視覚に訴えかけるコンテンツを取り入れることで、ユーザーの反応率アップが期待できます。

ターゲットに合ったメッセージとコンテンツを配信することで、LINE公式アカウントを通じた集客や販促の効果を高められます。

関連記事 LINE公式アカウントのメッセージ配信のやり方やコツを徹底解説

効果を分析してPDCAサイクルを回す

LINE運用では、施策ごとの効果をデータをもとに分析し、PDCAサイクルを回すことが重要です。闇雲に運用を続けていても、期待する成果にはつながりません。

効果の分析には、LINE公式アカウントに搭載されている分析機能の活用がおすすめです。分析機能では、開封率やクリック率、ブロック率などを配信ごとに数字で確認でき、施策ごとの反応を客観的に把握できます。

効果が高かった施策は継続し、効果が得られなかった施策は配信内容やタイミングを見直すなど、柔軟に改善を重ねることで運用効果を高められます。

LINE運用の成果を高めるコツ9選

LINE運用の成果を高めるためのコツについて、以下で9つ紹介します。

• WEBサイトポップアップを活用して友だち追加を促す
• あいさつメッセージを活用してコンバージョンを促す
• ステップ配信でフォローアップ配信
• 画像を使って視覚的に訴求する
• クーポン・ショップカードを活用してブロック率を下げる
• 属性やニーズを把握してパーソナライズされた体験を提供する
• メッセージの配信頻度とタイミングを検討する
• ABテストを実施
• データを分析して次の施策へ反映する

WEBサイトポップアップを活用して友だち追加を促す

友だち追加を促す施策として、WEBサイトに訪れたユーザーに対し、離脱する前に友だち追加用のポップアップバナーを出すことも有効です。離脱のタイミングのポップアップを表示することにより、機会損失を防ぎ、将来的な顧客育成にもつなげられます。

ポップアップでは、「友だち追加で今すぐ使える10%OFFクーポンプレゼント」といった、友だち追加による明確なメリットを提示すると効果的です。

WEBサイト訪問者はサービスや商品に興味がある一方で、9割程度はコンバージョンせずに離脱しています。コンバージョンと比較してLINEの友だち登録はユーザーにとって心理的ハードルが低いため、まずはLINEを通じて気軽につながり、連絡を取り合うことが大切です。

あいさつメッセージを活用してコンバージョンを促す

あいさつメッセージは、ユーザーが企業のLINE公式アカウントを友だち追加すると自動で送信されるメッセージです。

LINEで友だち登録するタイミングは、ブランドや商品に対して興味や関心が最も高い重要なタイミングであり、コンバージョンにつなげる絶好の機会といえます。

また、あいさつメッセージは開封率が高くなるため、適切に設計することでユーザーのエンゲージメントの向上にもつながるでしょう。

あいさつメッセージでは、「登録ありがとうございます。◯％OFFクーポンをお送りしますので、ぜひご利用ください！」とお礼に特典を用意したり、今後の配信内容をアピールしたりすることで、ブロックを防ぎつつ行動を喚起できます。

関連記事 LINE公式アカウントのあいさつメッセージの設定方法｜作り方のコツや例文も紹介

ステップ配信でフォローアップ配信

ステップ配信を適切に行うと、ユーザーのエンゲージメントやコンバージョン率の向上が期待できます。

商品やサービスに興味はあるけど、「今は購入タイミングではない」というユーザーもいるため、継続的にコミュニケーションを取ることが重要です。

例えば、ステップ配信を活用し3日後に商品の紹介、1週間後にクーポンを配信します。このように興味を醸成しつつ、購入のきっかけをつくることも大切です。ステップ配信の効果を最大化するには、ユーザーの行動パターンを分析し、最適なタイミングと内容で配信するシナリオ設計が重要です。

配信内容は売り込み感を抑え、ユーザーとの信頼関係を構築することが、長期的な成功につながります。

関連記事 LINE公式アカウントのステップ配信の設定方法｜開始条件や条件分岐も詳しく解説

画像を使って視覚的に訴求する

LINE公式アカウントの運用では、画像クリエイティブを使った視覚的な訴求が重要です。視覚的なコンテンツは、テキストのみのメッセージと比較してユーザーの関心を引きやすく、クリック率の向上が期待できます。

実際に、画像はテキストの7倍以上の情報量を持つと言われており、テキストメッセージよりもユーザーに刺さりやすい特徴があります。

LINE公式アカウントでは、リッチメッセージやリッチビデオメッセージ、リッチメニューなど画像を使う機能が豊富に用意されています。分析を通じてクリック率の高いデザインパターンを蓄積し、視覚的に訴求していきましょう。

クーポン・ショップカードを活用してブロック率を下げる

LINE公式アカウント運用でよく問題になるのが、友だち数が増えてきたのにブロックされてしまうことです。ユーザーと関係のない情報を配信するなど、ユーザーにとってのメリットを感じられない場合にブロックされるため、注意をしましょう。

ユーザーからのブロック率を下げるためには、クーポンやショップカードの活用がおすすめです。例えば、以下のような使い方をします。

• 毎月20日に1,000円オフクーポンを配布
• ショップカードで10ポイント貯めると次回の支払い30%オフ

このように、公式LINEとつながる特典を用意し、友だちであり続けるメリットを感じてもらうことが重要です。

関連記事 LINE公式アカウントのブロック率を下げる方法を解説。平均値や計算式、確認方法を紹介

属性やニーズを把握してパーソナライズされた体験を提供する

LINE運用で成果を出すポイントは、顧客がいかに「自分に届いた」「自分に必要な情報だ」と感じてもらえるかという点にあります。

そのために重要なのが、共通の属性やニーズを持つグループに、配信先を絞り込むセグメント配信です。

年齢・性別・地域などのセグメントに配信先を絞り込み、セグメント配信を行うことで、より興味を持ってもらいやすいメッセージを送れます。

関連記事 LINE公式アカウントのセグメント配信（絞り込み配信）とは？設定方法や成功事例を徹底解説

メッセージの配信頻度とタイミングを検討する

LINEのメッセージ配信は、週1回、1ヶ月に4回程度が推奨されています。「配信のしすぎ」はブロックや開封率の低下を招きますが、逆に情報発信が少なすぎるとユーザーの興味を失いやすくなるでしょう。

また、配信タイミングは、ターゲットがスマホをよく見る時間帯を狙うことで開封率の向上を期待できます。配信時間が設定したターゲットに合っていないと、他のメッセージに埋もれて見落とされてしまう可能性が高まるでしょう。

例えば、ビジネスパーソンがターゲットの場合は通勤時間や昼休み、帰宅後の配信がおすすめです。

いつ、どのような内容を配信するか、あらかじめ計画を立てることでムダな配信や配信漏れを防止でき、LINE運用の成果を最大化できます。

ABテストを実施

LINE運用方法を改善していくうえで、ABテストの実施も有効な手段です。どのような訴求がユーザーに刺さるかは、実際にユーザーの反応を見るまでわかりません。マーケティング担当者の経験や勘だけで成果を出していくのは限界があるため、客観的な比較検証は重要です。

特に結果に違いが出るのは、画像クリエイティブです。画像はもちろん、訴求やCTAの有無、色などの要素を変えてABテストをします。

ABテストのポイントは、テストの目的を定めて、何の要素を比較するのかを明確にしておくことです。複数要素を同時に変更すると何が影響したか判断できなくなるため、テストは1つの要素に絞って実施することが重要です。

テスト後は、結果にもとづき仮説を立て、次の配信に反映させましょう。仮説と検証のPDCAサイクルを繰り返すことで、LINE運用の成果向上につながります。

データを分析して次の施策へ反映する

LINE運用の成果を上げるには、配信したデータを分析して次の配信に活かすことが大切です。施策の効果を数字を使わず感覚的に判断したり、効果を確認せずに繰り返したりするだけでは、LINE運用の成果を高められません。

LINE公式アカウントにはデータ分析機能があるため、実際の成果を数字で確認できます。メッセージの開封率やクリック率など、どのメッセージやクリエイティブが高い反応を得たのかを分析可能です。

分析機能を用いて定期的に検証、修正を繰り返すことで、データにもとづいた戦略立案が可能になり、徐々に運用効果を高められます。

LINE運用で成果を上げるためには、数値を確認するだけでなく、その結果になった要因の仮説を立て、仮説をもとに改善できることを考えて次の施策に活かしましょう。

LINE公式アカウント活用事例

LINE公式アカウントを運用していくには、実際の事例を参考にすると効果的です。ビジネスでLINE公式アカウントを活用している事例を、以下で4つ紹介します。

教育：予約獲得からフォローまでLINEを活用し予約獲得コストが半減

語学教育事業を展開するベルリッツ・ジャパンは、従来の電話・メール中心の顧客対応に課題を感じていました。Webサイトからの問い合わせ後の電話連絡を避けたい方がいたり、メールが読まれなかったりするケースも多く、顧客との接点づくりが難航していたためです。

そこで、従来の電話・メールでの連絡課題を解決すべく、LINE公式アカウントでフルファネルな顧客コミュニケーションを実施しました。

友だち登録直後のおすすめコース診断やリッチメニュー改善、ステップ配信や英語クイズ配信でユーザーの検討意欲を喚起しました。さらに、インサイドセールスとの連携で体験レッスン予約後のフォローも強化することにより、顧客の再検討や入会促進にもつなげています。

その結果、公式LINE導入から3ヶ月で予約獲得コストを約50％削減し、獲得効率が大幅に向上しました。LINE運用の効果を実感できる成功事例です。

関連記事 予約獲得コストが半減 体験レッスン予約の最大化につなげるLINE運用

住宅メーカー：検討行動のデジタル化に対応し来場予約が2.1倍に

トヨタホームは住宅検討行動のデジタル化に対応するため、Mico Engage AIを活用してLINE公式アカウントを刷新しています。従来はスタンプ配布などで友だちを集めていたものの、住宅検討意欲の高いユーザーとの接点構築と、一斉配信による高コストな運用が課題でした。

そこで、住宅検討度の高い顧客をターゲットに、友だち追加後のステップ配信やカタログ配信、セグメント配信を実施。

するとLINE経由の来場予約数は前年比2.1倍、資料請求は1.8倍に増加しました。キャンペーン配信では応募率は従来比30倍に向上し、高い成果を挙げています。セグメント配信によりコスト面も最適化され、デジタル顧客接点改革の効果が実証されました。

関連記事 LINE経由の来場予約数が前年比2倍！トヨタホームが語る、住宅購買行動の変化に対応するデジタル顧客接点改革

EC：OMO戦略でLINE経由のセール売上が2倍に

北欧発のシューズブランド「ECCO」の日本法人であるエコー・ジャパンは、LINEを活用したOMO戦略でEC売上を大きく伸ばしています。

店舗来店時にLINE友だち追加を促し、アンケートで顧客の興味を把握。得られたデータをもとに、ユーザーの興味に合わせたセグメント配信や、ECサイト上のカート落ち・お気に入り行動に連動したトリガー配信を実施しました。

その結果、通常の一斉配信と比べ、反応率は3倍に向上しました。さらに、2024年11月のブラックフライデー施策では夏季セール比でLINE経由の売上が夏の2倍に、カート落ち配信ではROAS（広告費用対効果）は4倍に向上。LINEを活用したパーソナライズ配信で、オンラインと店舗の連携を強化し、EC売上最大化に成功しています。

関連記事 LINE経由のセール売上が2倍に。顧客行動に応じた配信でEC売上を最大化するエコー・ジャパンのOMO戦略

人材：求職者の9割とLINEでつながり月間応募数が3倍に

工場求人専門サイト「工場求人ナビ」を運営する日総工産では、若手の採用強化と求職者との連絡手段の最適化を目的に、LINE公式アカウントの本格導入を実施。

MicoCloudを活用し、LINE登録時に希望条件や勤務地に合った求人を即時提案するシナリオを構築しました。さらにCriteo AIを活用したレコメンド配信も組み合わせることで、LINE経由の月間の仕事応募数は導入前の約3倍に増加しています。

また、流入経路ごとに求職者を自動でタグ付けし、対応までのタイムラグも解消。求職者とのコミュニケーションの9割をLINEに集約することで、スムーズな採用も実現しています。

LINEを活用することでユーザーの満足度を高めるだけでなく、企業側としても工数削減を達成した運用事例です。

関連記事 求職者の9割とLINEでつながり、月間応募数は3倍に。日総工産が実現した、AI求人レコメンドと有人1to1による採用体験

まとめ

LINE公式アカウントは、多機能であるがゆえに最初は手探りになりがちですが、基本を押さえて少しずつ運用ノウハウを身につけることが大切です。

また、LINEマーケティングツール「Mico Engage AI」を提供している弊社は、継続率99%のLINE公式アカウントの運用支援もしています。累計1,200アカウント以上の支援経験から得たLINE運用ノウハウで戦略立案から施策の提案、クリエイティブ作成までトータルサポートが可能です。

LINE運用支援に興味がありましたら、ぜひお問い合わせください。