LINE公式アカウントのKPIは何を追うべきか?成果につなげる指標設定と改善策
Category:LINE公式アカウント

LINE運用
セグメント配信とは、ユーザーの属性やニーズなどを特定のグループ(セグメント)に分け、メッセージを配信する手法です。LINE公式アカウントにおいては、メッセージ配信の絞り込み配信がセグメント配信にあたります。
本記事では、LINE公式アカウントのセグメント配信の概要や設定方法、成功事例について解説します。
Contents
LINE公式アカウントのセグメント配信の説明の前に、そもそもセグメント配信とは何かを解説します。
セグメントとは、共通の属性やニーズを持ったユーザーグループを指します。
例えば、「男性」「神奈川県在住」「メッセージの閲覧履歴あり」「商品購入履歴あり」「既存会員」などです。上記以外にも、様々な基準でセグメントを分けることができます。
また、セグメント配信とは、ユーザーを特定のセグメントに絞り込みメッセージを配信することです。メッセージの配信対象を絞らずに配信する「一斉配信」とは対象的な考え方となります。
メッセージの配信先セグメントを絞り込むことにより、必要な人に必要な情報を届けることができるようになります。セグメントを分けて配信しない場合は、男性限定キャンペーンを女性に送るなど、ニーズに合わない情報を届けることになってしまいます。
LINE公式アカウントにおいてもセグメント配信が可能です。LINE公式アカウントでは、メッセージ配信の配信先を絞り込むことができる「絞り込み配信」という名称で呼ばれています。
LINE公式アカウントでセグメント配信することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ユーザーのニーズや属性などのセグメントに合わせてメッセージを作成することで、反応率アップが期待できます。例えば、不動産会社のLINE公式アカウントの場合、東京在住のユーザーには東京エリアの物件を、大阪在住のユーザーには大阪エリアの物件だけを送るというイメージです。
重要なのは、セグメントに合わせたメッセージを作成することです。一方で、セグメントごとにメッセージを作成する必要があり工数がかかります。そのため、売上につながりやすいセグメントから取り入れることが重要です。
LINEにはブロック機能があります。ブロックは容易にできるため、自分とは関係ない、興味がない情報しか送られてこないと感じるとブロックされてしまいます。
そのため、特定のセグメントにだけ必要な情報を全ユーザーに対して配信しているとブロックされるリスクが高まります。せっかく集めた友だちにブロックされることは避けたいところです。
セグメント配信は必要なユーザーにだけメッセージを配信できるため、ブロックされるリスクを低減するという意味でも有効です。
LINE公式アカウントはプランによって無料で配信できるメッセージ数が決まっています。
また、スタンダードプランでは、上限を超えたメッセージは1通ごとに追加で配信費用がかかります。
一斉配信をすると友だち全員にメッセーを送ることになり、友だちの数にもよりますがすぐにメッセージの上限に到達します。また、スタンダードプランでは友だち数の増加にともない、追加のメッセージ配信費用も負担になりがちです。
そのため、メッセージの配信対象を絞り込み、送る必要のないメッセージは送らないようにしましょう。配信対象を絞り込みメッセージを減らすことで、プランの見直しや追加のメッセージ配信コストを削減できます。
LINE公式アカウントでセグメント配信をする、2つの絞り込み方法を紹介いたします。
LINE公式アカウントには、「お友だちの期間」「性別」「年齢」「OS」「地域」の5種類の属性(フィルター)が用意されています。これらの属性は組み合わせることも可能です。
属性データは、LINEによってユーザーに自動的に付与された情報で、ユーザーが保有するスタンプや友達追加している公式アカウントの利用状況から推計された情報を用いています。
属性 | 選択できる候補 |
友だち期間 | ・6日以下 ・7日~29日 ・30日~89日 ・90日~179日 ・180日~364日 ・365日以上 |
性別 | ・男性 ・女性 |
年齢 | ・14歳以下 ・15~19歳 ・20~24歳 ・25~29歳 ・30~34歳 ・35~39歳 ・40~44歳 ・45~49歳 ・50歳以上 ※2024年10月以降に50歳以上も細分化予定。 ・50~54歳 ・55~59歳 ・60~64歳 ・65~69歳 ・70歳以上 |
OS | ・Android ・iOS ・Windows Phone ・BlackBerry ・Nokia ・Firefox |
地域 | ・47都道府県の個別選択 ・北海道/東北地方 ・関東地方 ・甲信越/北陸地方 ・東海地方 ・関西地方 ・中国地方 ・四国地方 ・九州/沖縄地方 |
また、複数の属性を掛け合わせて設定することも可能です。例えば、「友だち期間が6日以下」で「東北地方」に居住している「男性」ユーザーというセグメントを作ることができます。
複数の属性を掛け合わせることで配信対象をさらに絞り込むことができ、効果を高めることを期待できます。
オーディエンスは、行動に応じてユーザーを絞り込みグループを作成する機能です。
以下のように分類されています。
オーディエンスの種類 |
・メッセージクリック ・メッセージインプレッション ・リッチメニュークリック ・リッチメニューインプレッション ・友だち追加経路 ・チャットタグ ・予約 ・ユーザーIDアップロード ・ウェブトラフィック ・その他 |
オーディエンスでの絞り込み機能を活用すれば、メッセージをクリックしたユーザーにのみ配信対象を絞り込み、クーポンを配信するという使い方が可能です。
それぞれのオーディエンスの特徴を紹介いたします。
過去に配信したメッセージに含まれるリンクをクリックしたユーザーを対象にしたオーディエンスです。配信から60日以内にメッセージを利用できます。
メッセージクリックを配信に利用するには、オーディエンスのサイズが50以上必要です。
過去に配信したメッセージを開封したユーザーを対象にしたオーディエンスです。配信から60日以内にメッセージを利用できます。
メッセージインプレッションを配信に利用するには、オーディエンスのサイズが50以上必要です。
特定の期間内にリッチメニューをクリックしたユーザーを対象にしたオーディエンスです。
すべてのアクション、または、特定のアクションをしたユーザーを対象にオーディエンスを作成できます。
リッチメニュークリックを配信に利用するには、オーディエンスのサイズが50以上必要です。
特定の期間内にリッチメニューを表示したユーザーを対象にしたオーディエンスです。
リッチメニューインプレッションを配信に利用するには、オーディエンスのサイズが50以上必要です。
特定の経路で自社のLINE公式アカウントを友だち追加したユーザーを対象としたオーディエンスです。QRコードを使い分けることで、特定のお店からの友だち追加、Webサイトからの友だち追加などでオーディエンスを分類することができます。
友だち追加経路は、サイズが50以上の経路のみ配信に利用可能です。
チャットでタグ付けしたユーザーを対象にしたオーディエンスです。タグは自由に設定可能で、例えば「既存顧客」や「ゴールド会員」など、自由に設定することができます。
また、チャットタグはサイズが50以下でも配信に利用することができます。
「LINEで予約」で予約したユーザーを対象としたオーディエンスです。配信に利用するには、LINE公式アカウントと連携済みの予約データが必要となります。性別や年代などと掛け合わせて絞り込みする場合は、選択後の推計対象ユーザーが50人以上必要です。
TXT、CSV形式のファイルでユーザーIDをアップロードして作成するオーディエンスです。
LINE Tagのトラッキング情報を基にしたオーディエンスです。WebサイトにLINE Tagを設置するとコンバージョン計測が行えるようになります。コンバージョンしたユーザーしたユーザーを対象にオーディエンスを作成できるため、温度感の高いユーザーを対象にメッセージを配信することができます。
ウェブトラフィックを配信に利用するには、オーディエンスのサイズが50以上必要です。
ビジネスマネージャーを活用することで、LINEヤフーの各プロダクトのデータやクライアント企業が持つデータを使ってオーディエンスの共有や作成をすることができます。
以上、オーディエンスの説明をいたしました。続いて、絞り込み配信をする際の注意点を解説いたします。
セグメント配信をおこなう前に、注意点を紹介いたします。
LINE公式アカウントの属性を用いた絞り込み配信は、ターゲットリーチ数が100人以上必要です。ターゲットリーチ数とは配信可能なユーザー数のことです。友だち登録者数からブロックされているアカウントと属性不明のアカウントを差し引いた人数を指します。
また、ターゲットリーチ数が100名未満の場合、絞り込み後のターゲットリーチ数が50人に満たない場合も絞り込み配信ができない点に注意しましょう。
友だちの属性情報が反映されるまで約3日かかります。そのため、過去3日で友だち追加されたユーザーには配信ができません。
属性で絞り込みを行う場合は、3日前の情報を用いて配信される点を留意しておきましょう。
LINE公式アカウントの絞り込み配信に使える属性は、みなし属性と呼ばれています。みなし属性はLINEユーザーが保有するスタンプやLINE公式アカウントの利用状況から推測されたデータです。あくまで推測したデータであることを理解しておきましょう。
LINE公式アカウントで絞り込み配信に活用できるのは「属性」と「オーディエンス」のみです。
例えば、以下のようなセグメントを作成して絞り込み配信をすることはできません。
このようなセグメント配信は、LINE公式アカウントの機能を拡張するLINEマーケティングツールを活用することで実現可能です。
LINE公式アカウントの絞り込み配信をする方法を解説いたします。
LINE公式アカウントの管理者画面にはWEB版(PC)と管理アプリ(APP)の2種類がありますが、ここではWEB版(PC)におけるセグメント配信の設定方法を見ていきます。
初めにLINE公式アカウントの管理画面にログインします。左メニューのメッセージ配信>メッセージ作成をクリックし、メッセージの配信画面を開きます。
配信先>絞り込みにチェックを入れると、「オーディエンス」と「属性で絞り込み」が表示されます。属性での絞り込みはターゲットリーチ数が100名以上必要なため、100名以下の場合は「属性で絞り込むには、ターゲットリーチ数が100人以上必要です」と表示されます
ここからは、「オーディエンス」と「属性」それぞれで、絞り込み配信をする方法を解説いたします。
オーディエンスを使った絞り込み配信をする場合は、事前に設定が必要です。この記事では、オーディエンスは作成済みである前提で解説を進めます。
もしオーディエンスの設定が終わっていない場合は、先にオーディエンスを設定しましょう。
では、実際にオーディエンスを使った絞り込み配信について説明いたします。
メッセージ配信画面を開くと、以下のようなページが表示されます。
「配信先」の項目で「絞り込み」にチェックを入れて、「オーディエンス・過去の配信」の項目の右上にあるアイコンをクリックしてください。
「オーディエンス」を開くと、作成したオーディエンス一覧が表示されます。
作成したオーディエンスごとに、メッセージ配信対象とするかどうかを選択できます。メッセージ配信対象としたいオーディエンスは「含める」を選択し、配信対象外としたいオーディエンスは「除外する」を選択します。選択中の項目はグレーに変わるため、間違いのないように注意してください。
設定が終わったら、画面下部より「追加」を押して完成です。あとは、通常のメッセージ配信同様、メッセージを配信して完了です。
続いて、属性を使った絞り込み配信を解説いたします。
属性で絞り込む場合、「配信先」の項目で「絞り込み」にチェックを入れます。
そして「属性で絞り込み」の項目で右上にあるアイコンをクリックするとフィルター設定画面が出てきます。
続いて「フィルター設定」で、属性を選択します。絞り込み配信に利用できる属性は、「友だち期間」「性別」「年齢」「OS」「エリア」の5つです。例えば、下記の画像ではフィルターで「友だち期間」を選択し、友だち追加からの期間でセグメントを設定しています。
なおフィルターは複数設定可能です。友だち期間×居住地など複数の条件を掛け合わせることで、よりセグメントを絞った配信が可能になります。
また、属性とオーディエンスは併用可能です。より詳細なセグメントを作成したい場合は併用するのがおすすめです。複数フィルターを設定する場合も、選択後にターゲットリーチが50人以上必要ですので注意しましょう。
以上で、LINE公式アカウントの機能を活用したセグメント配信をする方法を解説いたしました。
続いて、セグメント配信の成功事例を紹介いたします。
LINE公式アカウントのセグメント配信による成功事例をご紹介いたします。
旅行業界の株式会社ジェイアール東海ツアーズ様では、LINE友だち登録者限定のセールが好調です。
セール時に1回目の配信に反応したユーザーに対して、2回、3回目のセグメント配信を行ったところ、効率よく予約の数を増やせています。弊社が支援を開始してから約1年半では、LINE経由の商品購買数が10倍、友だち登録者数6.5倍という成果がでました。
国産オーガニックスキンケア・ヘアケア、健康食品の企画・販売をしている株式会社SOLIAでは、誕生日や興味があるブランドでセグメント配信をしています。
誕生月クーポンや好きなブランドの情報に絞ったセグメント配信でメッセージを配信できたため、購買意欲の向上につながっただけでなく、配信コストの削減やブロック率も半分以下になりました。
LINE公式アカウントでは「属性」「オーディエンス」によりセグメント配信ができます。一方で、それ以外のセグメントには配信できない他、ターゲットリーチ数が少ないと絞り込み配信そのものができません。
そのような課題は、LINE公式アカウントの機能を拡張するLINEマーケティングツール「Mico Engage AI(ミコエンゲージエーアイ)」を活用することで解決可能です。
また、一方で「どのような属性のユーザー」に「どのような内容のメッセージ」を配信すべきかという点でお困りの企業も多いのではないでしょうか。弊社はツールの提供だけでなく運用支援もおこなっており、累計1,200アカウントを超える支援の中から得たノウハウを基に成果創出をご支援いたします。