LINEで実現する保険のDX、はなさく生命が目指すデジタルで進化する顧客との新しい絆づくり
はなさく生命保険株式会社
- 業界 :
- 金融・保険
- 課題・目的 :
- 1to1コミュニケーション エンゲージメント向上
- 保険申込率
- 1.5 x
- アンケート回答率
- 50 %

CRM推進部兼統合マーケット企画部 課長補佐
渡邊 真人様
効果と戦略
課題
- ダイレクト領域における保険加入難易度の高さ
- 電話でつながれないお客様とのコミュニケーション接点創出
- 契約後の顧客接点強化と継続率の向上
戦略
- LINEを活用した顧客コミュニケーション基盤の構築
- 複数チャネルを活用したLINE登録促進による友だち増加
- 個別対応と自動対応を組み合わせた顧客コミュニケーション
成果
- LINE友だちの保険のお申し込み率はそうでないユーザーと比較すると1.5倍に
- 電話不通の顧客への状況に応じた情報伝達を行い、顧客接触数が向上
- アンケートで顧客の声を集約・可視化、LINE経由の回答率は50%超と高い成果
顧客ファースト✖️デジタル活用で、保険の新しい体験を創る

はなさく生命保険は、日本生命グループの一員として2019年4月に営業を開始した生命保険会社です。「ニュー・インシュアランス・クリエイター」として、新しい保険商品の開発とサービス提供に注力しています。特に女性向けの保障・サービスの充実化に取り組み、デジタルコミュニケーションの最適化で顧客体験の向上を図っています。
2025年10月に既契者様に向けて本格的にLINE活用をスタートしていく予定です。それに先駆け、2024年10月から、見込み顧客に向けたLINEの活用をスタートしており、LINEを1つのチャネルとし、デジタルツール、データ、有人を組み合わせ、お客様との良好な関係構築に取り組んでいます。
1to1の顧客対応と配信を組み合わせてCXを向上
保険業界では、約2割のお客様がオンラインでの加入を希望される一方で、実際の加入率は6%程度に留まっていると言われており、オンラインでの契約には依然として高いハードルが存在します。さらに、保険代理店を介さないダイレクト契約のお客様は解約率が高い傾向にあり、電話によるコミュニケーションの限界や、契約後の顧客接点の希薄さが課題として挙げられます。
そこで、顧客接点の強化を図るため、LINEを活用したコミュニケーション基盤の構築を決定しました。MA(マーケティングオートメーション)のようなアプローチと、顧客一人ひとりに合わせた1to1トークによる対応の両立を目指し、状況に応じて自動配信と個別対応を柔軟に使い分けることを構想していました。例えば、興味関心が低いお客様へはMAの仕組みを活用しながら効率的な情報提供を行い、興味が高まったタイミングで有人に切り替え顧客対応を行うことを検討していました。MicoCloudは、当社の要件に対し、簡易ながらも工夫次第で多様な活用が可能な柔軟性を備えており、ニーズに合致しました。
新たな繋がりを創出する個別状況に応じたチャネルの活用
導入後、当社では契約前のお客様とのコミュニケーションにおいて、コールセンターと連携し、これまで電話で連絡が取れなかった層に対してもLINEを活用したアプローチが可能となりました。
この新たなコミュニケーションチャネルの確立に伴い、お客様とLINEでつながることに注力しています。具体的な取り組みとして、コールセンターのアドバイザーがお客様との会話の中でLINE公式アカウントの友だち登録を促しています。

さらに、Webサイト上では、お客様がスムーズにLINEで繋がれるよう、友だち登録導線を最適化しています。資料請求後には、LINE通知メッセージを通じて、自然に友だち登録に進んでいただける設計を心がけています。
顧客エンゲージメント向上でLINE経由のお申し込み率は1.5倍に

LINEでお客様とつながることにより、電話が繋がらなかった場合でもメッセージを送信してコミュニケーションが取れるようになりました。
電話に出ることができない状況で何度も電話がかかってきてしまうと不快に感じる方もいらっしゃいます。電話に出られなかった場合に、「先ほどお電話させていただきましたが、お忙しいようなのでご都合がつく時間をお教えください」などLINEでメッセージをお送りすることで、お客様のタイミングでご連絡をいただける応対を行っています。その結果、電話でのコンタクト率も向上しており、お客様状況に応じたスムーズな1to1コミュニケーションに繋がっています。
また、ライフイベントなどをきっかけに保険を検討いただき、加入手続きを保留されたままになっている方もいらっしゃいます。そうしたお客様に対し、LINEでリマインドメッセージを自動配信することで、改めて保険を思い出していただくきっかけにしています。メッセージ配信後、「この保険に加入しようと思っていたんです」とご返信をいただき、ご契約に至った事例もございます。

電話だけでなく、LINEという新しいコミュニケーションの選択肢を提供できたことで、お客様との関係構築がスムーズになっていることから、LINEで友だちになっている顧客はそうでない顧客を比較したところ、お申し込み率が1.5倍高くなっています。
お客様との距離が縮まるコミュニケーションへ
顧客対応を担当しているコールセンターからは、LINEを活用することでより効果的な顧客コミュニケーションが可能になったという声が上がっています。特に、スタンプ風画像を用いた親しみやすいやり取りはお客様にも好評で、社員からは「もっとこんなスタンプが欲しい」といった具体的な要望や提案も寄せられています。

また、LINE上でお客様から直接反応をいただく機会も増えています。
お客様が疑問に思っていたとしてもわざわざ電話するほどではない、ちょっとした疑問や連絡も気軽にしていただけるようになったことも良かった点です。「この特約って何だっけ?」といった簡単な質問や、「今日の約束、都合が悪くなったから明日に変更したい」といった連絡もいただいており、LINEならお客様にとってもメッセージを送ることの心理的なハードルが低いのではと感じます。
そして、要件を伝えるだけではなく、「さっき対応してくださった〇〇さんはとても親切でした」などお客様からお褒めのメッセージをLINEでいただく機会も増えています。
さらに、LINE経由で実施したアンケートでは50%を超える回答率に達しており、従来の電話調査(10~20%程度)と比較して改善が見られたことからLINEに対するお客様の反応率の高さを感じています。
契約後の顧客オンボーディングを充実させ、継続率の向上を目指す
2025年10月には既契約者向けのコミュニケーションのスタートを計画しており、契約後の継続的なサポートを強化していく予定です。ご契約いただいた後に、はなさく生命の保険の使い方や、保険が使えるシーンの説明、また健康状態で心配なことがあったときに専門医への相談ができるサービスなど、保険の使い方をしっかりと丁寧に説明するコミュニケーションを検討しています。特に契約後1ヶ月間は、重点的な顧客オンボーディングによるフォローアップを実施し、顧客満足度の向上と安心して契約を継続していただくことを目指したいと考えています。