LINE広告とは？仕組みや費用、出し方を徹底解説

LINE広告をはじめたいけれど、配信面の違いや費用の目安がわからず、設定方法やターゲットの絞り方に不安を感じていませんか？

多くのマーケティング担当者が最初に抱えるこの悩みを解決するため、本記事ではLINE広告の基本的な仕組みに加え、成果を出すための実践的なポイントも解説します。

LINE広告の全体像をつかみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

LINE広告とは

LINE広告とは、月間9,900万人以上（2025年6月末時点）が利用しているコミュニケーションアプリ「LINE」と、その関連サービスに広告を出せるプラットフォームのことです。

LINE広告を使うと、主に以下のことができます。

• 圧倒的なユーザー数を活かした認知の獲得
• オウンドメディアへの誘導
• アプリのインストールの促進
• LINE公式アカウントの新規友だちの獲得

広告主が、ユーザーに見せたい広告や予算などを設定すると、LINEアプリ内のさまざまな広告スペースに画像や動画の広告が自動で表示されます。

他のSNS広告との違い

LINE広告が他のSNS広告と異なる点は、LINEでしか出会えないユーザー層へアプローチできることです。

LINEは、月間アクティブユーザー数が9,900万人以上（2025年6月末時点）という日本最大級の利用者基盤をもっています。総務省のデータを見ても、LINEの利用率はInstagramやX（旧Twitter）といった他の主要SNSの利用率を大きく上回っています。

さらに重要なのが、主要SNSの中でLINEしか利用していないユーザーが41.2%も存在することです。この層は他のプラットフォームでは情報を届けられないため、SNS市場全体をカバーする上で、LINE広告は欠かせない存在だといえます。

参照：総務省情報通信政策研究所「令和５年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」

LINE広告のメリット

LINE広告には以下のようなメリットがあります。

• ターゲティング精度が高い
• 幅広い層のユーザーにアプローチできる
• LTV（顧客生涯価値）の向上が期待できる

LINE広告で成果を出すためにも、まずはLINE広告の特徴を把握しておきましょう。

ターゲティング精度が高い

LINE広告は、他のSNS広告と比較しても、非常に高い精度でターゲットを絞り込むことが可能です。この精度の高さは、LINEアプリ内でのユーザーのさまざまな行動データを活用することにより実現されています。

たとえば、LINE NEWSの閲覧履歴やLINE VOOMでの視聴コンテンツなどから、ユーザーの興味・関心を正確に把握することが可能です。さらに、Yahoo! JAPANとのデータ連携により、ユーザーが「何を検索したか」という能動的なニーズも捉えることもできます。

さらに、年齢・性別・地域といった基本情報はもちろん、興味関心や購買意向などから詳細にターゲットを絞り込めます。2025年7月には104項目の新セグメントを含む詳細なカテゴリが利用可能となりました。これにより、今まで以上に自社のサービスに関心の高い層へ広告を届けることが可能になっています。

幅広い層のユーザーにアプローチできる

月間アクティブユーザー数9,900万人以上（2025年6月末時点）という基盤は、他のSNSが見逃しがちな幅広いユーザー層へのアプローチを可能にしています。

特に注目すべきは、全LINEユーザーの約86%が毎日アプリを利用しているというアクティブ率の高さです。これにより、特定の年齢層に偏ることなく効率的に広告を届けられます。

特定の若者向けSNSとは一線を画し、ビジネスのターゲットがどの年齢層であってもLINE広告は有効な手段となるでしょう。

LTV（顧客生涯価値）の向上が期待できる

LINE広告の「友だち追加ごとに課金」という課金方式とLINE公式アカウントを連携させることで、長期的な顧客関係を築き、LTV（顧客生涯価値）の向上が期待できます。

LTV（顧客生涯価値）とは、ひとりの顧客が一生のうちにその会社にどれだけの利益をもたらすかを示す指標のことです。

「友だち追加ごとに課金」という課金方式では、広告を見たユーザーが「友だち追加」した場合にのみ費用が発生するため、無駄なコストを抑えながら自社のファン候補を集められます。

一度友だちになれば、その後は追加の広告費なしでメッセージやクーポンを届けられるため、継続的なコミュニケーションを通じて顧客を育成していくことが可能です。

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LINE広告にかかる費用

LINE広告は、目的に応じて選べる3つの課金モデルを提供しています。最低出稿金額はなく、1日1,000円といった少額からでもスタート可能です。

課金方式	最低設定費用	目的の例
クリック課金（CPC）	手動入札：24円／1クリック自動入札：36円／1クリック	Webサイトへのアクセス増加
インプレッション課金（CPM）	200円／1,000回表示	ブランドや商品の認知度向上
友だち追加ごとに課金	手動入札：50円／1友だち追加自動入札：75円／1友だち追加	LINE公式アカウントの友だち獲得

なお、広告のAIを十分に機能させ、より良い結果を得るには、ある程度の予算を用意することが大切です。

具体的には、ひとつの広告で月に40件ほどの成果データが集まると、AIの学習機能が効率よく機能するようになります。つまり「1件の成果にかける目標の費用（目標CPA） × 40件」が、広告で結果を出すために最低限必要な月間予算の目安です。

もし、1件の成果に5,000円をかけられる場合、月20万円（5,000円×40件）の予算を確保するのが理想的です。

LINE広告の主な配信面

LINE広告の配信面には主に以下の5つがあります。

• トークリスト
• LINE NEWS
• LINE VOOM
• ホーム
• LINE広告ネットワーク

LINE広告は、LINEアプリ内のさまざまな場所に表示されます。LINE広告の効果を最大限に発揮するためには、それぞれの配信面の特徴を理解し、目的に合わせて使い分けることが重要です。

トークリスト

トークリストは、ユーザーがLINEアプリを開いた際に、最初に目にする場所です。他のどの場所よりも目に止まりやすいため、新商品やキャンペーンのお知らせをしたい場合などに効果的です。

なかでも、1日限定で配信枠を買い取る予約型広告である「Talk Head View」は、最大6,500万人にリーチできる強力なメニューです。通常の運用型広告でも、コンパクトな画像でユーザーの目を引くことができ、短時間でメッセージを伝えられます。

LINE NEWS

LINE NEWSは、ユーザーが能動的に情報を探しに来る情報収集の場であり、月間7,700万人以上が利用しています。とくに購買意欲の高い20代〜40代のユーザーに、信頼性の高いニュース記事に溶け込む形で自然にアプローチできます。ユーザーの理解を深め、質の高い見込み顧客を獲得することにつながるでしょう。

LINE VOOM

LINE VOOMは、ショート動画を中心とした動画プラットフォームです。

ユーザーは特定の目的をもたず、おもしろいコンテンツを求めて回遊しています。LINE VOOMに広告を出せば、これまでリーチできなかったまったく新しい層に、自社の商品やサービスを発見してもらえる可能性があります。

エンゲージメントの高い動画は拡散されやすく、広告費以上の効果を生むこともあります。一般の人がスマ－トフォンで撮ったような「リアルな動画」は、広告よりも信頼されやすく、自然な共感も得やすいです。拡散されれば、ブランド認知度の向上や購買意欲の促進など、企業にとって喜ばしい効果につながるでしょう。

ホーム

LINEアプリのホーム画面は、友だちリストの確認等でユーザー層を問わず多くの人が見る場所です。そのため、幅広い層へバランスよく広告を届けたい場合に適しています。

どの場所にLINE広告を出すか迷った際に、まず試してみるのに適しているほか、別の配信面と効果を比較するためのベンチマークとして活用するのもいいでしょう。

LINE広告ネットワーク

LINE広告ネットワークは、「クックパッド」や「ウェザーニュース」といった人気アプリ内にまで広告を出せる仕組みです。LINEアプリの外に広がる1万3,000以上（2024年10月時点）の提携アプリに広告を配信でき、LINEの精密なターゲティングデータをそのまま活用できます。

LINE広告ネットワークは、リターゲティング（一度サイトを訪れた人を追いかける広告）との相性も抜群です。たとえば、「自社サイトでカートに商品を入れたが未購入のユーザー」を、別のアプリの利用中に追いかけて広告を表示するといった強力なアプローチができます。

LINE広告ネットワークは、LINEのターゲティング精度とアドネットワークのいいとこ取りができる配信面です。

LINE広告のターゲティング・配信機能

LINE広告のターゲティング・配信機能には主に以下の内容があります。

• オーディエンスセグメント配信
• オーディエンス配信
• 類似配信
• 友だち追加

それぞれについて見ていきましょう。

オーディエンスセグメント配信

オーディエンスセグメント配信では、LINEのもつ膨大な行動データからターゲットを指定することで精度の高い配信ができます。アクションにつながりやすいユーザーを選んで広告を表示できるため、費用対効果が高くなります。

具体的には、年齢・性別・地域といった基本情報に加え、「旅行好き」「ゲーム好き」といった興味・関心、さらには「テレビをよく見る」といった行動データまで細かく設定可能です。

オーディエンス配信

オーディエンス配信では、サイト訪問者やLINE公式アカウントの友だち情報、自社がもつカスタマーデータを活用して広告を配信できます。

オーディエンス配信の一部として、たとえば自社サイトを訪れた人やアプリをインストールした人などに、再度広告を表示するリターゲティング配信も実施できます。

「カートに商品を入れたものの購入しなかったユーザー」にだけ、特別なクーポン広告を見せる、といった戦略的な活用も可能です。

類似配信

類似配信は、既存の優良顧客と行動特性がよく似たユーザーを、LINEのAIが自動で見つけ出してくれる機能です。

自社の購入データやLINE公式アカウントの友だちリストを元に、優良顧客になる可能性が高い新規ユーザーにアプローチできます。

類似配信は新規顧客獲得において強力な手法のひとつであり、活用すればビジネスの拡大に大きく貢献できるでしょう。

友だち追加

友だち追加機能は、LINE公式アカウントの友だちを増やすことに特化した配信機能です。友だちがひとり追加されるごとに費用が発生する成果報酬型の「友だち追加ごとに課金」を採用しているため、広告費のムダがありません。

一度獲得した友だちとは、その後無料でコミュニケーションを取ることが可能です。長期的な視点で見込み顧客を育成し、LTV（顧客生涯価値）を高められます。

LINE広告に出稿するためのステップ

ここからは、LINE広告を出稿するための５つのステップを解説します。

1. LINEビジネスIDの作成：広告アカウントを管理するための共通IDを作成します。

2. 広告アカウントの開設：管理画面から企業情報などを入力し、広告アカウントを作成します。

3. クレジットカード情報の登録：広告費を支払うためのクレジットカードを登録します。

4. LINE Tagの設置：Webサイトでのコンバージョンなどを計測するためのタグを、自社サイトに設置します。
5. 広告配信の設定：キャンペーン目的、ターゲット、予算、クリエイティブなどを設定し、審査に提出します。承認され次第、配信が開始されます。

LINE広告の成果を高める3つのポイント

LINE広告の成果を高めるには、以下のようなポイントに押さえておきましょう。

• 目的を明確にした上で配信設定を行う
• ターゲティングを広めに設定する
• 複数のクリエイティブを制作し効果検証する

LINE広告の成果を最大化するために、ポイントを意識することが重要です。

目的を明確にした上で配信設定を行う

LINE広告の運用をはじめる前に、「誰に、何を伝え、どうなってほしいのか」という目的を具体的に設定することが重要です。

たとえば「新商品の認知度を上げたい」のであればインプレッション数を、「ECサイトでの購入を増やしたい」のであればコンバージョン数を目標とし、それらの数値を最大化するキャンペーンを行います。

目的が曖昧なままでは、効果測定の指標や配信戦略が定まらず、広告費を浪費しかねません。目的を明確にすることで、配信設定の精度が高まり、広告効果の正しい評価と改善につながります。

ターゲティングを広めに設定する

LINE広告で成果を出すには、最初からターゲットを絞り込みすぎず、あえて広めに設定するのがおすすめです。

ターゲティングを狭めすぎると、広告配信の機会が減少し、LINEの機械学習による最適化が十分に行われない可能性があります。

まずは年齢や性別、大まかな興味関心などで広く配信し、多くのデータの中からより成果の高い層（セグメント）を見つけ出していくのが成功への近道です。

複数のクリエイティブを制作し効果検証する

ユーザーが日常的に利用するLINEでは、同じ広告クリエイティブを使い続けるとすぐに飽きられ、効果が低下します。そのため、常に複数のクリエイティブを用意し、同時に配信して効果を比較検証するA/Bテストが不可欠です。

画像のデザインやキャッチコピー、訴求の切り口を変えたパターンを複数試し、クリック率やコンバージョン率などの数値を分析しましょう。

成果の高いクリエイティブの傾向を把握し、その要素を取り入れて改善を繰り返す「PDCAサイクル」を回し続けることが、広告効果を最大化させるうえで重要です。

LINE広告で注意すべき点

LINE広告を出稿する際は、広告表現に関するガイドラインを遵守することが重要です。

LINEはユーザーの快適な利用体験を重視しており、薬機法や景品表示法に抵触する可能性がある表現や、ユーザーに不快感や誤解を与えるようなクリエイティブは審査で否認されます。

具体的には、過度な肌の露出やコンプレックスを煽るような表現、非科学的な効果を謳うものなどが該当します。

出稿前には必ず公式サイトで最新の掲載ガイドラインを確認し、ユーザーに受け入れられる誠実な広告制作を心がけましょう。

まとめ

LINE広告の強みは、「高精度なターゲティング」「圧倒的なリーチ力」「LTV向上につながる仕組み」の3点に集約されます。他のSNSではリーチできない層にまで広告を届け、顧客と長期的な関係を築けるLINE広告は、現代のデジタルマーケティングにおいて非常に強力なツールです。

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